練習と慣れ

新しい仕事がスタートして2週間経った。座学で指導を受けた事は、大体60%程度しか記憶されない。指導する側も“結局、慣れですから。”と宣った。長年その通りだと思ってきたし、今回も実際そうだった。完全に流れや、業務内容を理解・把握(≒慣れ)すると、今度は端から忘れてくる。自分で勝手に判断して優先順位や、重要度を推し測り、今度は手抜きをできる部分を認識してくる。そしてミスが発生してくる。入社したて当初のミスは知識・理解不足に因るものでやむを得ない部分もあるが、慣れた後のミスは慢心に因るもので、容認しがたい。長年管理側に居るとどちらのミスか判別でき、指導の方法も異なってくる。だから被管理側となると、今のミスはある程度不可避のミスなので勘弁して、と思うが、未熟な管理者は一緒くたに観てくる。まぁ郷に入っては郷に従え、か。曲の練習も慣れてくると、流す様になってしまい勝ちで、簡単な部分は流して、逆に難しい部分は何度やってもなかなか解決できない。自然と練習回数も難易度の高い部分は頻度が落ち、理屈を理解しても、テクニックが追いていかず、曲全体で練習回数の頻度が異なってきてしまう。すると今度は簡単な部分は流す様になり、難易度の高い部分だけ慎重に奏るため、全体の大半を占める比較的簡単な部分が蔑ろとなって曲の完成度は逆に落ちてしまう。曲でも仕事でも、大半の部分は所謂常識の範囲で消化・身に付けられるが、ミスはそこにこそ発生し易くなる。難しい事、初めて覚えた事は意外とミスは少ないものである。聴衆も仕事の評価者も、素人・新人に関わらず、一人の演奏者・その仕事のプロとして観ているので、慣れ≒流す事はするべきでは無い。“分かっちゃいるけど”というところだが、心しておきたい事であると再認識した。

コメント

タイトルとURLをコピーしました