エレキギター・シンセサイザーなどの電気楽器が進化している。PC、AIやチャットGPTを使えば、感覚などの全体雰囲気を伝えたり入力するだけで、素人を超越した楽曲制作が可能な昨今。まだ解明が100%で無い“ゆらぎ”を内包した歌声などは、かつての荒井由美に代表されるなかなか真似ができない。身体を楽器とした歌声は、言語化ができないと模倣の域を出ないのが現状。遠くない将来に、これらもほぼ完璧なコピーができるとは思うが、何だかなというところである。同人の持つ雰囲気などもコピーできるのだろうか。聴衆は減少しているものの未だにクラシック音楽ファンが居るのはなぜだろう。楽曲の奥深さを、技術と表現力を携えた新たな表現者;奏者によって蘇らされた古曲からは何度でも感動がもたらされるからではないだろうか。様々な分析・解明によって技術と表現力が新しくなることで新たな感動は得られるが、音はどうだろう。未だに古楽器・名器とされる楽器の再生は困難とされている。エレキギターなどでもほぼ同じ環境にある。楽器の素材である木材や電子機器はもちろんだが、それらの組み合わせなども再現が難しい要因となっている。どんなに速弾きできても、正確無比な弾き方でも、美人・美男子楽師でも音がダメなら聴く気にならない。“音”にこだわった音楽を奏でられたら。それによって聴衆を引き付けられたら、というのは楽器に係わる者すべての願いである。
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